2020/10/13 17:27


みなさま"献上桃"ってご存知ですか?
献上物というと、特に江戸時代に将軍が朝廷に、諸侯が将軍に献上する品物のことですが、
現在も全国各地から選りすぐりの良いものを皇室へ献上する慣しがあります。
「献上米」や「献上〇〇」と名付けられている品物があり、
"献上桃”もそのひとつ。
そして実はその"献上桃”の産地が福島県の桑折町(こおりまち)なのです。
“献上桃の郷”桑折町と呼ばれる由来です。

桑折町が“献上桃の郷”として桃を献上して27年以上になりますが、
まだまだ一般的にはそんな存在として知る人は多くありません。
そこで今回は「“献上桃の郷”桑折町」についてご紹介します。

福島県の甘い桃。生産量は全国2位。

そもそも桑折町(こおりまち)属する福島県は、山梨県に次いで全国的な桃の一大産地です。
特に桑折町は盆地の地形が果樹栽培に最適な地域で、毎年糖度が抜群に高い桃が育ちます。

町を散策すると、桃畑がたくさん。
4月中旬、桃の花が満開な様子は他ではあまり見ることができない圧巻の景色、
夏にはいたるところで桃の収穫が行われています。
(天皇皇后両陛下も何度か桑折町の農家さんを訪ねられたことも。)

さまざまな品種の中でも主力なのは「あかつき」。
平成6年以降連続で皇室に献上されているのもこの品種の桃です。
寒暖差のある場所で太陽をたっぷりと浴びた「あかつき」は、
甘みと噛むほどにあふれそうな果汁と広がる良い香りが特徴です。

皇室に献上する桃を決める「選果式」。

毎年、収穫された桃の中でも質が高いものの中から、
さらに皇室に献上する桃を決める「選果式」というものが行われます。
時期は収穫年によって多少の前後はありますが7月ごろ。
選定には県や地元の農業協同組合が参画。
まずは機械チェックで、糖度13度以上のものだけを選びます。
その後専門家の目で、色・形など多角的な観点から最終的に
180個の“献上桃”が選ばれます。
選定は約2万個もの桃から行われるとのことなので、
献上される桃はかなり厳しく決められるようです。

収穫年によっては糖度18度。桑折町の甘い桃。

農作物なので、天候によって収穫年の出来栄えは変わるものであることは、
想像することもできますが、「福ももの酢」を初めて作った2018年の桃の中には、
糖度が18度を超える桃もありました。
献上する桃の糖度の基準から見ても、とても糖度が高いですよね。
献上される桃は食べることができませんが、
同等の質の美味しい桃が桑折町にはあります。
“献上桃の郷”桑折町の桃、ぜひ一度ご賞味くださいね。

参考
・農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1408/01.html